第21回角川ビーンズ小説大賞 受賞コメント&選評公開!
先日発表いたしました第21回角川ビーンズ小説大賞受賞者3名の受賞のコメントと、最終候補5作品の選評を公開いたします。
ご応募くださいました方々、選考にあたられた諸氏に改めて御礼申し上げます。
ご応募くださいました方々、選考にあたられた諸氏に改めて御礼申し上げます。
優秀賞 &〈一般部門〉審査員特別賞 三川みり先生選
「押しかけ執事と無言姫−こんな執事はもういらない−」 安崎依代
【あらすじ】
魔法国家・アルマリエ帝国の王女カレンはある日、最低最悪な運命の出会いを果たす――。「お嬢様。どうぞよろしくしやがれでございます」その男の名はクォード・ザラステア。一か月前にカレンが(図らずも)阻止してしまった帝国転覆計画を謀った大罪人で、そして――カレンの執事として今後仕えるという。……どうぞお引き取りください! そもそもなぜ普通ならば処刑待ったなしのこの男が私の世話係!? 隙をついて彼のお世話という名の猛攻から逃れようとするカレンだが、ことごとく躱され今日も優雅なティータイムを過ごすことに。しかもクォードには大罪人というだけでなく何か秘密がありそうで? 献身的なほど物騒な主従ファンタジー、開幕!
【受賞コメント】
この度は優秀賞・三川みり先生特別賞をいただき、ありがとうございます。
W受賞とのことで、身に余る光栄に震えが止まりません。また選考に携わってくださった全ての皆様、日頃より様々な形で作品を閲覧してくださっている読者の皆様にこの場をお借りして厚く御礼申し上げます。
初めて手に取ったラノベ作品が角川ビーンズ文庫で、かれこれ20年近く前に初めて応募した公募も角川ビーンズ文庫な私にとって、今回の受賞は間違いなく人生の一大事です。これからも驕ることなく精進を重ねていく所存ですので、どうぞよろしくお願い致します。
魔法国家・アルマリエ帝国の王女カレンはある日、最低最悪な運命の出会いを果たす――。「お嬢様。どうぞよろしくしやがれでございます」その男の名はクォード・ザラステア。一か月前にカレンが(図らずも)阻止してしまった帝国転覆計画を謀った大罪人で、そして――カレンの執事として今後仕えるという。……どうぞお引き取りください! そもそもなぜ普通ならば処刑待ったなしのこの男が私の世話係!? 隙をついて彼のお世話という名の猛攻から逃れようとするカレンだが、ことごとく躱され今日も優雅なティータイムを過ごすことに。しかもクォードには大罪人というだけでなく何か秘密がありそうで? 献身的なほど物騒な主従ファンタジー、開幕!
【受賞コメント】
この度は優秀賞・三川みり先生特別賞をいただき、ありがとうございます。
W受賞とのことで、身に余る光栄に震えが止まりません。また選考に携わってくださった全ての皆様、日頃より様々な形で作品を閲覧してくださっている読者の皆様にこの場をお借りして厚く御礼申し上げます。
初めて手に取ったラノベ作品が角川ビーンズ文庫で、かれこれ20年近く前に初めて応募した公募も角川ビーンズ文庫な私にとって、今回の受賞は間違いなく人生の一大事です。これからも驕ることなく精進を重ねていく所存ですので、どうぞよろしくお願い致します。
〈一般部門〉審査員特別賞 伊藤たつき先生選
「身代わり花嫁は身命を賭して」 英 秋
【あらすじ】
忍びの末裔の少女・依都は、主君である伯爵家の当主が莫大な借金を残して死んだことを知る。伯爵家の令嬢・美緒の身代わりに借金の形として、冷酷無慈悲で有名な軍人・東堂園悠臣に嫁ぐことになった依都だが……嫁入り当日、すぐに本物の美緒ではないと悠臣にばれ、納屋に閉じ込められてしまう。忍びの能力で夜中にこっそり抜け出した依都であったが、そこで夜襲を受けている悠臣を目撃、ついつい助けてしまって? 「気に入ったぞ、偽者。俺はお前を買うことにする」 実は悠臣は帝国軍の諜報員。“美緒”として生きることになった依都は、悠臣の契約上の妻として、相棒として、事件に同行することになり――忍びの少女とスパイの主人、契約から始まるふたりの物語。
【受賞コメント】
このたびは審査員特別賞という素晴らしい賞を賜り、誠にありがとうございます。
伊藤たつき先生をはじめとして、選考に携わられた先生方、編集部の皆様に心より御礼申しあげます。
子どものころから物語に憧れてきましたが、まさか自分が創作者になれるとは思ってもみませんでした。一念発起して書き始めた物語が歴史ある角川ビーンズ文庫の受賞作に仲間入りできること、本当にうれしく思います。
願わくは、末永く執筆を続けていけるよう、精進してまいります。
どうかこれから、よろしくお願いいたします。
忍びの末裔の少女・依都は、主君である伯爵家の当主が莫大な借金を残して死んだことを知る。伯爵家の令嬢・美緒の身代わりに借金の形として、冷酷無慈悲で有名な軍人・東堂園悠臣に嫁ぐことになった依都だが……嫁入り当日、すぐに本物の美緒ではないと悠臣にばれ、納屋に閉じ込められてしまう。忍びの能力で夜中にこっそり抜け出した依都であったが、そこで夜襲を受けている悠臣を目撃、ついつい助けてしまって? 「気に入ったぞ、偽者。俺はお前を買うことにする」 実は悠臣は帝国軍の諜報員。“美緒”として生きることになった依都は、悠臣の契約上の妻として、相棒として、事件に同行することになり――忍びの少女とスパイの主人、契約から始まるふたりの物語。
【受賞コメント】
このたびは審査員特別賞という素晴らしい賞を賜り、誠にありがとうございます。
伊藤たつき先生をはじめとして、選考に携わられた先生方、編集部の皆様に心より御礼申しあげます。
子どものころから物語に憧れてきましたが、まさか自分が創作者になれるとは思ってもみませんでした。一念発起して書き始めた物語が歴史ある角川ビーンズ文庫の受賞作に仲間入りできること、本当にうれしく思います。
願わくは、末永く執筆を続けていけるよう、精進してまいります。
どうかこれから、よろしくお願いいたします。
〈WEBテーマ部門〉WEB読者賞
「転生聖女は推し活初心者! ~聖女なのに邪悪の娘と蔑まれる公爵令嬢は推し活に励み過ぎて王子の溺愛に気づかない~」 綾束 乙
【あらすじ】
推し活中に事故で溺死した女子高生の絵理。気がつくと聖女として破邪の力を持つ公爵令嬢エリシアに生まれ変わっていた。黒髪黒目のせいで「邪悪の娘」と蔑まれる日々。妹が唯一の聖女と思われているけれど、聖女になりたくないので好都合! ひっそりと生きようとした矢先に出会ったのは、美貌と優しさを兼ね備えた最高に推せる存在――王太子レイシェルトだった。ばれないようこっそり街で推し活資金を稼いでいると、あるとき推しにそっくりの声帯をもつ謎の青年レイと遭遇。さらには偶然が重なってレイシェルト殿下とも急接近……!? 推しのファンサが手厚すぎて死にそうです……っ! 推し命の隠れ聖女×甘やかしたい王太子のハイテンションラブファンタジー!
【受賞コメント】
このたびは〈WEBテーマ部門〉WEB読者賞という素晴らしい賞を賜り、誠にありがとうございます。
編集部の皆様をはじめ選考に携わられた方々、またWEB読者賞ということでご投票くださった皆様に厚く御礼申しあげます。
皆様に応援いただいたおかげで素晴らしい賞をいただくことができました。
いつもカクヨムで応援してくださる皆様、励ましてくれる家族にも心より感謝いたします。
これからも皆様にわくわくしていただける物語を紡げるよう、よりいっそう精進してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
推し活中に事故で溺死した女子高生の絵理。気がつくと聖女として破邪の力を持つ公爵令嬢エリシアに生まれ変わっていた。黒髪黒目のせいで「邪悪の娘」と蔑まれる日々。妹が唯一の聖女と思われているけれど、聖女になりたくないので好都合! ひっそりと生きようとした矢先に出会ったのは、美貌と優しさを兼ね備えた最高に推せる存在――王太子レイシェルトだった。ばれないようこっそり街で推し活資金を稼いでいると、あるとき推しにそっくりの声帯をもつ謎の青年レイと遭遇。さらには偶然が重なってレイシェルト殿下とも急接近……!? 推しのファンサが手厚すぎて死にそうです……っ! 推し命の隠れ聖女×甘やかしたい王太子のハイテンションラブファンタジー!
【受賞コメント】
このたびは〈WEBテーマ部門〉WEB読者賞という素晴らしい賞を賜り、誠にありがとうございます。
編集部の皆様をはじめ選考に携わられた方々、またWEB読者賞ということでご投票くださった皆様に厚く御礼申しあげます。
皆様に応援いただいたおかげで素晴らしい賞をいただくことができました。
いつもカクヨムで応援してくださる皆様、励ましてくれる家族にも心より感謝いたします。
これからも皆様にわくわくしていただける物語を紡げるよう、よりいっそう精進してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
選評
【編集部総評】
「作家」。物語を書くという莫大なエネルギーを消費し、一つの世界を、生きたキャラクターたちを生み出す存在に対して、ビーンズ文庫編集部は常に敬意を払い、その物語を世に伝えるお手伝いをしてまいりました。
昨今では「書籍化デビュー」への手段が実に多様化し、長短問わず様々な道が見出せる時代です。
今、角川ビーンズ文庫として目指すべき先は何か。そのような想いから大きく見直し、リニューアルした第21回角川ビーンズ小説大賞でしたが、両部門にて実に多彩な、魅力溢れる440作品もの応募をいただきましたこと、大変嬉しく思います。まことにありがとうございました。
また《一般部門》では伊藤たつき先生、三川みり先生の両氏による選考、《WEBテーマ部門》では「カクヨム」にてたくさんの読者の皆様に選考ご協力をいただきましたこと、この場を借りて心より御礼申し上げます。
新しい時代を担う、新しい才能の発掘。今後もビーンズ文庫編集部は心躍る出会いを期待し、求めてまいります。何卒よろしくお願い致します。
「作家」。物語を書くという莫大なエネルギーを消費し、一つの世界を、生きたキャラクターたちを生み出す存在に対して、ビーンズ文庫編集部は常に敬意を払い、その物語を世に伝えるお手伝いをしてまいりました。
昨今では「書籍化デビュー」への手段が実に多様化し、長短問わず様々な道が見出せる時代です。
今、角川ビーンズ文庫として目指すべき先は何か。そのような想いから大きく見直し、リニューアルした第21回角川ビーンズ小説大賞でしたが、両部門にて実に多彩な、魅力溢れる440作品もの応募をいただきましたこと、大変嬉しく思います。まことにありがとうございました。
また《一般部門》では伊藤たつき先生、三川みり先生の両氏による選考、《WEBテーマ部門》では「カクヨム」にてたくさんの読者の皆様に選考ご協力をいただきましたこと、この場を借りて心より御礼申し上げます。
新しい時代を担う、新しい才能の発掘。今後もビーンズ文庫編集部は心躍る出会いを期待し、求めてまいります。何卒よろしくお願い致します。
一般部門
【総評】
〈伊藤たつき先生〉
最終選考まで残っただけあって、どの投稿作品もとても面白かったです。ただ、全体的に誤字脱字、読んでいてわかりにくいと思う描写が多く、読む人を意識して書いているのかなと疑問に思いました。プロを目指すなら、考えた物語をいかにわかりやすく伝えられるかを、念頭に置いてほしいと思います。せっかく面白い物語も、読む人に伝わらなければ意味がありません。書き上げたら、これで本当に伝わるかなと、客観的な視点から読み直すといいと思います。
〈三川みり先生〉
バラエティに富んだ最終候補三作品でした。選考の中で重視されたのが、大きく二点。一点目はキャラクター造形。ヒロイン、ヒーローが個性的でかつ好感がもてるか。二点目は、物語の要素に面白みがあるかということ。最終候補として選ばれた三作品は編集部から一定の評価を得られているという意味で、どの作品が受賞しても不思議ではないのですが、上記二点のあるなし、強弱が、分かれ目だったような気がします。
〈伊藤たつき先生〉
最終選考まで残っただけあって、どの投稿作品もとても面白かったです。ただ、全体的に誤字脱字、読んでいてわかりにくいと思う描写が多く、読む人を意識して書いているのかなと疑問に思いました。プロを目指すなら、考えた物語をいかにわかりやすく伝えられるかを、念頭に置いてほしいと思います。せっかく面白い物語も、読む人に伝わらなければ意味がありません。書き上げたら、これで本当に伝わるかなと、客観的な視点から読み直すといいと思います。
〈三川みり先生〉
バラエティに富んだ最終候補三作品でした。選考の中で重視されたのが、大きく二点。一点目はキャラクター造形。ヒロイン、ヒーローが個性的でかつ好感がもてるか。二点目は、物語の要素に面白みがあるかということ。最終候補として選ばれた三作品は編集部から一定の評価を得られているという意味で、どの作品が受賞しても不思議ではないのですが、上記二点のあるなし、強弱が、分かれ目だったような気がします。
押しかけ執事と無言姫−こんな執事はもういらない−
〈伊藤たつき先生〉
勢いがあって読みやすく、お話も作り込まれていて、面白かったです。メイン、サブキャラともに好感が持てて、特に女性主人公が格好良かったです。残念だったのは、「執事」とタイトルに二回入っているのに、男性主人公が執事らしくない事。読点が少ないので、文章が読みづらい事です。読みやすさを心がけると、もっとよくなると思います。
〈三川みり先生〉
ヒロインの好感度が一番高かった作品です。コメディはさじ加減が難しいと思うのですが、それを面白く描く筆力を感じました。物語もシンプルで、コメディであることも有利に働き、多少の引っかかりは勢いで読まされてしまいました。このヒロインでなかったら評価はまた違ったかもしれないので、ヒロインの勝利かと思います。
〈編集部〉
引きこもりの王女と大罪人でありながら執事となったヒーローの異世界ファンタジー。
主従関係でありながらも喧嘩仲間のようなテンポの良いやりとりがキャラクター性を心地よく伝えてくる。
「こう楽しむべき」という主眼が明確になっており、ラストまで非常にわかりやすく集中して楽しむことができる。
その分、設定や世界観で難解さや説明不足な点が多く、キャラクター性以外での物語への没入感を薄めてしまい、引っかかりを覚えてしまう面も。
読者の理解度や読み進めるうえでのペースを意識し、時に立ち止まることで生まれるメリハリを意識すれば、大きく印象が変わるだろう。
勢いがあって読みやすく、お話も作り込まれていて、面白かったです。メイン、サブキャラともに好感が持てて、特に女性主人公が格好良かったです。残念だったのは、「執事」とタイトルに二回入っているのに、男性主人公が執事らしくない事。読点が少ないので、文章が読みづらい事です。読みやすさを心がけると、もっとよくなると思います。
〈三川みり先生〉
ヒロインの好感度が一番高かった作品です。コメディはさじ加減が難しいと思うのですが、それを面白く描く筆力を感じました。物語もシンプルで、コメディであることも有利に働き、多少の引っかかりは勢いで読まされてしまいました。このヒロインでなかったら評価はまた違ったかもしれないので、ヒロインの勝利かと思います。
〈編集部〉
引きこもりの王女と大罪人でありながら執事となったヒーローの異世界ファンタジー。
主従関係でありながらも喧嘩仲間のようなテンポの良いやりとりがキャラクター性を心地よく伝えてくる。
「こう楽しむべき」という主眼が明確になっており、ラストまで非常にわかりやすく集中して楽しむことができる。
その分、設定や世界観で難解さや説明不足な点が多く、キャラクター性以外での物語への没入感を薄めてしまい、引っかかりを覚えてしまう面も。
読者の理解度や読み進めるうえでのペースを意識し、時に立ち止まることで生まれるメリハリを意識すれば、大きく印象が変わるだろう。
身代わり花嫁は身命を賭して
〈伊藤たつき先生〉
いろんな要素が詰め込まれていて、読む人を楽しませようという気概が感じられ、好感が持てました。ただ、要素が多すぎてそれらをうまくまとめきれておらず、散漫な印象です。都合のいい展開が目立ち、大正時代の雰囲気があまり伝わってこないのも残念でした。文章も粗いので、書き上げたらしっかり見直す事を心がけるといいと思います。
〈三川みり先生〉
物語を面白くする要素がふんだんに盛り込まれた作品でした。沢山の要素でストーリーを進めたいあまりに、登場人物の心情変化が見えづらかったり、展開が都合良くなった部分もあったような気がします。要素を上手に整理構成すれば大化けし、多くの読者が夢中になれる物語にできる可能性を感じました。
〈編集部〉
主人の身代わりとして嫁いだ少女と、冷酷な帝国軍人との和風ファンタジー。
偽花嫁としてヒーローに仕えることになったヒロインが自身の技能を活かして次第に存在意義を得ていき、変化していくヒーローとの関係性が物語を引き立てている。
流行を押さえながらもオリジナリティを盛り込もうとしたところは評価すべきポイント。
だがそのための構成が行きすぎた独りよがりになってしまっている面もあり、読者目線での構成展開にまで落とし込めていない箇所が多々見受けられる。
メインとして描くべきところから不必要なものを間引く勇気も時には必要となる。
いろんな要素が詰め込まれていて、読む人を楽しませようという気概が感じられ、好感が持てました。ただ、要素が多すぎてそれらをうまくまとめきれておらず、散漫な印象です。都合のいい展開が目立ち、大正時代の雰囲気があまり伝わってこないのも残念でした。文章も粗いので、書き上げたらしっかり見直す事を心がけるといいと思います。
〈三川みり先生〉
物語を面白くする要素がふんだんに盛り込まれた作品でした。沢山の要素でストーリーを進めたいあまりに、登場人物の心情変化が見えづらかったり、展開が都合良くなった部分もあったような気がします。要素を上手に整理構成すれば大化けし、多くの読者が夢中になれる物語にできる可能性を感じました。
〈編集部〉
主人の身代わりとして嫁いだ少女と、冷酷な帝国軍人との和風ファンタジー。
偽花嫁としてヒーローに仕えることになったヒロインが自身の技能を活かして次第に存在意義を得ていき、変化していくヒーローとの関係性が物語を引き立てている。
流行を押さえながらもオリジナリティを盛り込もうとしたところは評価すべきポイント。
だがそのための構成が行きすぎた独りよがりになってしまっている面もあり、読者目線での構成展開にまで落とし込めていない箇所が多々見受けられる。
メインとして描くべきところから不必要なものを間引く勇気も時には必要となる。
あやかしえんむすび神社のお祓い譚
〈伊藤たつき先生〉
設定も練られており、構成も上手で読みやすかったです。残念なのは、サブキャラは面白いのに、肝心のメインキャラ二人の印象が薄くて、物語も盛り上がりにかけている点。せっかく練られた設定も地の文で説明する事が多く、よくわからないまま話が進むので、置いてけぼりにされている感じがしました。もったいないというのが正直な感想です。
〈三川みり先生〉
きちんと構成がされ、登場人物の心情が無理なく描かれ、小説として好感がもてました。脇キャラクターが個性的で好感度も高く、その対比で主役二人の個性がかすみました。物語の動かし方や人物配置によっては、主役二人のキャラクターも物語に相応しい塩梅になったかもしれず、本当に惜しい作品です。
〈編集部〉
あやかしが見える貧乏神社の宮司であるヒロインと、彼女のもとに突然現れ手助けしてくれるあやかしヒーローとの現代あやかしストーリー。
主人公が何のためにどうしたいのか、という目的がはっきりしており、そこからおだやかに展開していく日常のできごとと、非日常のあやかしたちが組み合わさり、魅力的に描かれている。
最後まで読み込ませるだけの筆力を感じさせる反面、キャラクター性や物語の構造で印象に残るべきポイントが少ない印象を受けた。
良くも悪くも日常を描いており、エンタテインメントとしてのポイントを読者に伝え切れていないため、改めて作品のメリハリを意識してみてほしい。
設定も練られており、構成も上手で読みやすかったです。残念なのは、サブキャラは面白いのに、肝心のメインキャラ二人の印象が薄くて、物語も盛り上がりにかけている点。せっかく練られた設定も地の文で説明する事が多く、よくわからないまま話が進むので、置いてけぼりにされている感じがしました。もったいないというのが正直な感想です。
〈三川みり先生〉
きちんと構成がされ、登場人物の心情が無理なく描かれ、小説として好感がもてました。脇キャラクターが個性的で好感度も高く、その対比で主役二人の個性がかすみました。物語の動かし方や人物配置によっては、主役二人のキャラクターも物語に相応しい塩梅になったかもしれず、本当に惜しい作品です。
〈編集部〉
あやかしが見える貧乏神社の宮司であるヒロインと、彼女のもとに突然現れ手助けしてくれるあやかしヒーローとの現代あやかしストーリー。
主人公が何のためにどうしたいのか、という目的がはっきりしており、そこからおだやかに展開していく日常のできごとと、非日常のあやかしたちが組み合わさり、魅力的に描かれている。
最後まで読み込ませるだけの筆力を感じさせる反面、キャラクター性や物語の構造で印象に残るべきポイントが少ない印象を受けた。
良くも悪くも日常を描いており、エンタテインメントとしてのポイントを読者に伝え切れていないため、改めて作品のメリハリを意識してみてほしい。
WEBテーマ部門
転生聖女は推し活初心者! ~聖女なのに邪悪の娘と蔑まれる公爵令嬢は推し活に励み過ぎて王子の溺愛に気づかない~
〈読者からのコメント〉
・推しに出会ったことで人生が光り輝くものに変わっていく様子が、読んでいて共感できました。
・辛いことがあっても、推しへの愛と推しからのファンサがあれば、いくらでも乗り越えられる。そんな希望に溢れた作品です。
・ベタになりそうでいてならない小気味のいいテンポ感と構成。とにかく王子様が尊く書かれていた。これは推せる。読んでいるこちらも推せる。
〈編集部〉
聖女の力を持ちながらも見た目故に蔑まれるヒロインと、そんなヒロインが見出した推しであるヒーローとの恋愛ファンタジー。
前世の思いも引き継ぎ、ヒロインが“推し”のためにまっすぐに努力し、突き進んでいく姿は非常に痛快で魅力的。
推しとの価値観のすれ違いも読者目線でわかりやすく、思わずくすっと笑ってしまうようなエピソードもうまく取り入れられていた。
しかし“推し”という概念から向かう先、ヒロインの成長と葛藤の先が見えづらく、コメディとシリアスのバランスを調整しきれていない結果となってしまった。
導入から繋がっていくべきキャラクターの成長、期待感を取り入れ、物語を組み立ててほしい。
・推しに出会ったことで人生が光り輝くものに変わっていく様子が、読んでいて共感できました。
・辛いことがあっても、推しへの愛と推しからのファンサがあれば、いくらでも乗り越えられる。そんな希望に溢れた作品です。
・ベタになりそうでいてならない小気味のいいテンポ感と構成。とにかく王子様が尊く書かれていた。これは推せる。読んでいるこちらも推せる。
〈編集部〉
聖女の力を持ちながらも見た目故に蔑まれるヒロインと、そんなヒロインが見出した推しであるヒーローとの恋愛ファンタジー。
前世の思いも引き継ぎ、ヒロインが“推し”のためにまっすぐに努力し、突き進んでいく姿は非常に痛快で魅力的。
推しとの価値観のすれ違いも読者目線でわかりやすく、思わずくすっと笑ってしまうようなエピソードもうまく取り入れられていた。
しかし“推し”という概念から向かう先、ヒロインの成長と葛藤の先が見えづらく、コメディとシリアスのバランスを調整しきれていない結果となってしまった。
導入から繋がっていくべきキャラクターの成長、期待感を取り入れ、物語を組み立ててほしい。
癒しの聖女の正体は肉食系~ツンデレ薬師(公爵令息)に執着されているようですが、私はお肉が食べたいです~
〈読者からのコメント〉
・癒しの聖女なのに肉食! そのギャップにやられました。飯テロもあって、お腹がすきそうでした!
・食をテーマにした作品らしく、美味しそうなサンドイッチの描写は垂涎モノでした。具沢山のハンバーガーを『宝探し』にたとえたり、動揺するシーンでスープを零したり、『遊び心』に溢れている印象です。読者の心に栄養をくれる一作だと思います。
〈編集部〉
偽聖女とされたヒロインが脱獄した先で、おいしいものを食べながら癒しの魔法を用い、人々と交流していくストーリー。
WEB発小説としてのポイントを的確に押さえ、登場する料理の描写も巧みで引き込まれる。
さらには「肉食系令嬢」というキャラクター設定がただの設定に終わらず、物語としての構成に大きくかかわり展開される。
しかしながらラストに明かされるその設定の唐突さから、本来付随するはずの世界の奥行き、並びに構成としては物足りなさを感じた。
主人公自身の物語として世界観を構築し、一歩踏み込んだキャラクターの魅力を描くことを意識してみてほしい。
・癒しの聖女なのに肉食! そのギャップにやられました。飯テロもあって、お腹がすきそうでした!
・食をテーマにした作品らしく、美味しそうなサンドイッチの描写は垂涎モノでした。具沢山のハンバーガーを『宝探し』にたとえたり、動揺するシーンでスープを零したり、『遊び心』に溢れている印象です。読者の心に栄養をくれる一作だと思います。
〈編集部〉
偽聖女とされたヒロインが脱獄した先で、おいしいものを食べながら癒しの魔法を用い、人々と交流していくストーリー。
WEB発小説としてのポイントを的確に押さえ、登場する料理の描写も巧みで引き込まれる。
さらには「肉食系令嬢」というキャラクター設定がただの設定に終わらず、物語としての構成に大きくかかわり展開される。
しかしながらラストに明かされるその設定の唐突さから、本来付随するはずの世界の奥行き、並びに構成としては物足りなさを感じた。
主人公自身の物語として世界観を構築し、一歩踏み込んだキャラクターの魅力を描くことを意識してみてほしい。